ぬるっと生き残りたい

自分の頭の整理のためのブログ

スキンケア用品の仕組み

はじめに

化粧品について調べて出てくる情報の根拠がよくわからなかったので調べた。
定義が揺れているものが多かったのでひとまずの理解を記録。

主に参考にしたのは

保湿剤

皮膚の角質層は、天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質、皮脂膜の3種類で構成される。

  • 角質層の中には天然保湿因子が点在し、その隙間を埋めるのが細胞間脂質、皮膚の表面を覆っているのが皮脂膜。
  • 天然保湿因子:水と馴染みやすい物質。 → アミノ酸
  • 細胞間脂質:水分を抱え込む物質。ラメラ構造を持つ。 → セラミド脂肪酸
  • 皮脂膜:油の膜。水分蒸発を防ぐ。 → トリグリセリド、ワックスエステル、スクアレン

保湿作用は4種類。ヒューメクタント、モイスチャライザー、オクルーシブ、エモリエント。きっちり定義されているわけではないので資料によってバラバラ。

  • ヒューメクタント:天然保湿因子の代わりに、水分を吸着することで肌に水分を与える。水溶性が多い。 → グリセリンアミノ酸尿素
  • モイスチャライザー:天然保湿因子の代わりに、水分を抱え込むことで肌に水分を与える。 → ヒアルロン酸、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチン
  • オクルーシブ:皮脂膜の代わりに水分蒸発を防ぐ。脂溶性。 → ワセリン、ミツロウ、シリコン
  • エモリエント:皮脂膜の代わりに水分蒸発を防ぐ。肌を柔らかくする。脂溶性が多い。 → 脂肪酸コレステロール、スクアレン

「化粧水だけではダメ、クリームで蓋しないと!」とよく言われるのは、化粧水にはヒューメクタントのグリセリン、クリームにはオクルーシブのワセリンが含まれているから。
若いうちは自分で生成できるが、加齢により水分も油分も足りなくなるためセットにしておいたほうが良い。(ヒューメクタント + オクルーシブ、ヒューメクタント + エモリエントなど)

ヒューメクタント

グリセリン

  • 三価アルコール
  • 大豆油や獣脂などを加水分解して生成することが多い
  • C3H8O3
  • 水に非常に溶けやすく、吸湿性と保水性をもっている
  • 角質層の柔軟化および水分量増加による保湿作用を目的に使われる
  • よく使われるのは化粧水、乳液

グリセリンとは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン
グリセリン - Wikipedia
まちのくすりやさん第91号(平成27年2月号)を掲載しました。(お知らせ) | 一般社団法人浦安市薬剤師会

モイスチャライザー

  • 美容液に含まれる事が多い

オクルーシブ

ワセリン

ワセリン - Wikipedia
ワセリンとは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン
オリーブ果実油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン
石油の成分 | バイオテクノロジー | 製品評価技術基盤機構

エモリエント

皮膚におけるエモリエント成分とは、
1. バリア機能保護による過剰な水分蒸散抑制
2. 角質層の一時的な柔軟化(皮膚コンディショニング)
3. 皮表での水分保持(ラメラ機能形成能を有する場合)
主にこれらの作用のいずれか、または複数を有する親油性の成分のことをいい、もっとも理想的なエモリエント剤のひとつが、皮膚表面で皮脂膜を構成し、肌の水分およびバリア機能を保持・保護する皮脂そのものです。
エモリエント成分の解説と成分一覧 | 化粧品成分オンライン

オクルーシブ + 皮ふを柔軟化する

植物油脂

植物油脂の解説と化粧品に使われる植物油脂一覧 | 化粧品成分オンライン
高級脂肪酸の解説と植物油脂の高級脂肪酸一覧 | 化粧品成分オンライン
moderate scene(モデレートシーン)|敏感肌のバリア機能を立て直す鍵 "細胞間脂質"にまつわるQ&A

以下、無印良品のピュアオイルを調べてみた。粘性高→低

ピュアオイル・マッサージオイル 通販 | 無印良品

オリーブオイル

  • 高級脂肪酸オレイン酸リノール酸が多い
  • 抱水力はホホバオイルよりオリーブオイルのほうがやや高め
  • 水分蒸散防止に関してはワセリンの5分の1程度の効用でグリセリンと大差がない
  • 酸化しにくい
  • こってりしている

オリーブ果実油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

スウィートアーモンドオイル

アーモンド油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

アルガンオイル

ローズヒップオイル

カニナバラ果実油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

オリーブスクワランオイル

  • オリーブ果実から抽出したスクアレンに水素を足したもの
  • 抱水力はない
  • 酸化しにくい
  • さらっとしていて馴染みやすい

スクワランとは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

ホホバオイル

  • 植物から抽出したオイルだが、上記の植物油脂とは構成が違う
  • 高級脂肪酸と不飽和アルコールでできている = 蠟と同じ
  • 抱水力はホホバオイルよりオリーブオイルのほうがやや高め
  • さらっとしていて馴染みやすい

ホホバ種子油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

製品例

ニベアの青缶

水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸安息香酸Na、香料
花王株式会社 ニベアクリーム [中缶]

ニベアだけでいける!と話題になったのはワセリンとグリセリンの両方含まれているからだろうか。
ただワセリンの方が含有量が多いので脂性肌の人には向かなさそう。

ユースキンA

有効成分(1g中):
ビタミンE酢酸エステル  2mg
グリチルレチン酸 2mg
dl-カンフル  8mg
グリセリン 0.4g
ユースキンA 120g| 商品検索 | 商品情報 | ユースキン製薬株式会社

ユースキンは結構こってりしているがワセリンは含まれていないので、蓋としては使えなさそう。

追記

20210929 ヘパリン類似物質

ニキビ跡が酷かったため皮膚科に行ったところ処方された保湿剤。
ヘパリン類似物質ローション0.3%「日医工」 | 持田製薬株式会社
ヘパリン類似物質クリーム0.3%「日医工」 | 持田製薬株式会社

有名なのは「ヒルドイド」。
保湿、血行促進、抗炎症作用に効果がある。
上記で述べた保湿剤は皮膚の角質層に効き、ヘパリン類似物質はさらに内部にある基底層に効く。

基底層とは、薄い膜となって表皮の下にある真皮と接合している層です。たがいに絡み合うように波形を描き、真皮から毛細血管を通じて栄養を吸い上げながら細胞分裂を繰り返し、新しい皮膚を生成しています。
角質層は吸水性や保湿性に富んでいる層のため、正常な状態だと15%~20%の水分を含んでいます。私たちが化粧水や美容液を塗って潤いを与えているのもこの角質層です。水分以外にも天然保湿因子やアミノ酸、乳酸といった成分も保持されています。もし、肌が乾燥していると感じた場合は、角質層が乱れている状態だと判断することもできます。
お肌の基礎知識その3「表皮のしくみと働き」 | スキンケア研究所 | サンソリットのウェルエイジング外来

元々医薬品なので一番効果が大きいのかもしれないが、こちらの記事を読むかぎり基本的には角質層のお手入れと規則正しい生活で十分なのかなと思う。
それでも治まらない時は大人しく医者に行き、処方されるのがよいのだろう。
効き目が大きい薬は扱いを間違えると毒にもなるので。

参考ページ

20220410 レチノール

最近は日本の化粧品にも定着したレチノール。

レチノールとは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン

  • 栄養素ビタミンA₁の一種。
  • 2017年に医薬部外品シワ改善有効成分に承認。
  • 表皮ヒアルロン酸の合成を促進してシワ改善。
  • レチノールは酸化するとレチノール→レチナール→レチノイン酸と変化する。実際に肌に効能を与えるのはレチノイン酸の時。
  • レチノイン酸は欧米では40年以上前からニキビ治療薬として広く使用されている。ただし、日本人に実験すると肌への刺激が強かったため医薬品として未承認。
  • レチノイン酸そのものよりも効果は薄いが刺激の少ないレチノールを日本では使用している。

輸入品でうっかりレチノールではなくレチノイン酸を選んでしまうと肌が荒れるかもしれない。

20230831 皮膚科の薬から考えてみる

当院のお薬・処置・検査一覧 - 巣鴨千石皮ふ科

こちらの病院では、

が使われている。
つまりこれらが結局一番効果がある成分なので、効き目が緩やかであろう市販品で同じ成分がメインのものを選べばよいのではないだろうか。

保湿剤:ヒルドイド(ヘパリン類似物質)、プロペト

ヒルドイドはヘパリン類似物質で、ヒューメクタント・モイスチャライザーの機能、プロペトは白色ワセリンで、オクルーシブ・エモリエントの機能が果たせるようである。
つまり最低限の顔の保湿はヘパリン類似物質の化粧水・乳液+白色ワセリンで済みそうだ。
ちなみに今は以下の商品を使っているが、メイク講座やエステに行った時に肌を褒められるのでそこそこいい感じなのだと思う。

参考ページ

角化症治療薬:ウレパール(尿素製剤)

角化症は肌が硬化することなので、かかとのガサガサや手荒れなどに効く。
尿素を塗る前に水分は必要なのでお風呂上がりなどがよいらしい。
ヘパリン類似物質を先に塗ったり、ワセリンを後に塗る必要はなさそう。
顔には使わないほうがよい。 10%含有と20%含有があり、かかとのガサガサなど荒れが重いものは20%、軽いものなら10%がよい。
治ったら使い続けるのはだめ。逆に乾燥肌になる。

参考ページ

シミ治療薬:ハイドロキノン、トレチノイン、トランサミン(トラネキサム酸)、シナール(ビタミンC配合剤)、ハイチオール(L-システイン

シミ・肝斑・ニキビ跡の改善、美白などに効果がある。

  • ハイドロキノン:副作用がある。4%以上ならかぶれ、6%以上なら白斑などの可能性。処方箋は5%。メラニン色素生成を抑制=予防。トレチノインとの併用がおすすめ。化粧水、クリーム、美容液など。長期保管できない。使用期間も3~6ヶ月まで。
  • トレチノイン:市販品がない。レチノール(ビタミンA)の効果が強い版。メラニン色素をターンオーバーで追い出す=あるものを消す。
  • トランサミン:市販品はあるが、血が固まりやすくなるためピルを飲んでいる人などは避けたほうが安全。喉痛など炎症を抑えるための薬でもある。錠剤。
  • シナール:ビタミンC+パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)。ビタミンCがメラニン色素生成を抑制・還元促進、パントテン酸カルシウムはビタミンCを後押し。市販品はあるが左記以外が入っていたりする。サプリでビタミンCを飲んでいる人は重複するので注意。錠剤。
  • ハイチオール:L-システインメラニン色素生成を抑制・還元促進。市販品はあるがL-システイン以外にビタミンなどが含まれている。錠剤。

内服薬などがあるなら塗るハイドロキノン+レチノールあたり?順番はレチノールでピンポイント→ハイドロキノンを薄く広範囲。ただハイドロキノンもレチノールも危険性が少しありそうなので積極的にするほどでもないかも。
ハイドロキノンやトレチノインは高濃度の個人輸入を勧めているページがあるが、個人輸入するより皮膚科で処方してもらった方が良いと思う。
シナールマルチビタミンなどのサプリを飲んでたらそれで済みそう。内服薬がないならハイチオール系?

ざっくり見た感じ、ビタミンCがメインでビタミンB・ビタミンA・L-システインがあればシミにはよいのだろう。
結局マルチビタミンL-システイン系を飲めばよいのか?

ビタミンCとビタミンC誘導体

  • ビタミンC=ピュアビタミンC。
  • ビタミンC誘導体(VC誘導体)はビタミンCに他のものを添加して安定化させたもの。ビタミンCはそのままだと不安定で塗布には向かない。
  • ビタミンCを経口摂取すると肌以外にも使われるが、ビタミンC誘導体を塗布すれば肌にしか使われない。

肌がビタミンCを受容できる濃度は、最大でも9%くらいが限度といわれており、医薬部外品の上限が3%と決められていることを考慮すると、ホームケアで使用する濃度は3~9%くらいのものを、継続的にコツコツと与えていくのが適切です。反対にこれ以下の濃度の場合は、ビタミンCが配合されていても効果を期待できないということも言えます。 ビタミンCの特性-イオン導入研究所

マルチビタミンL-システインを経口摂取して、ビタミンC誘導体(3~9%)を塗布がシミには良さそう?

参考ページ

20231008 ワセリン、白色ワセリン、プロペト

ヴァセリン、ワセリン、白色ワセリンは何が違うのでしょうか? ちなみに、よく見かける「ヴァセリン(Vaseline)」というのはユニリーバ社の商品名で、いわゆるワセリンのこと。

  • ワセリン:原料名
  • 白色ワセリン:純度の高いワセリン。第3類医薬品。医薬品の棚で販売
  • ヴァセリン(Vaseline):ユニリーバ社の商品名。ワセリン。化粧品の棚で販売
  • プロぺト:白色ワセリンをさらに精製したもの。処方薬

ワセリンとは石油を精製して作られたものですが、生成する際の純度の高さによって色が変わります。純度の低いものは黄色っぽい色をしており、純度の高いものは白色ワセリンと呼ばれます。顔などにつけるのであれば、純度の高いものがオススメです。
ワセリンとヴァセリンの違いは?ワセリンの魅力と万能な使い方 [乾燥肌] All About

ヴァセリンがワセリンか白色ワセリンかは不明。

サンホワイト→もともと某原料メーカーの原料商品名。もっとも純度が高く不純物が少ないと世界的にも認められた高品質ワセリンで、商品名そのものがブランドになるほど世界的にも有名なワセリンです。
主に医療用途(『局方 ワセリン』も含め)、昨今の国産の化粧品にはこれがよく使われます。
また、この原料名をそのまま商品名にした商品も市場に存在します。
おもしろいのは、医薬品とした販売されているプロペトよりも品質が高いのに、これは化粧品として市販されています。

プロペト→これも医薬品メーカーの商品で商品名です。
医薬品に使用されるため、以前はこれがもっとも品質が高いと言われたワセリンです。

白色ワセリン→原料名ですが、その昔使われていた原料が品質が少し悪く黄色かったため、それよりも黄色くならないという意味で品質の良い白いワセリンと呼ばれていました。当時は高品質とされていましたが、今はさらに化学精製技術が進歩しましたので、品質的には下位に下がってしまいました。
日本では工業用途以外ではほとんど使用される事はなくなりましたが、格安コスメや外資系コスメ、特に○国や○国といった朝○諸国・欧米ではいまだに使われている事が多いようです。

ヴァセリンの成分について - 初めて投稿させていただきます。| Q&A - @cosme(アットコスメ)

更に純度の高さは
サンホワイト>プロペト>白色ワセリン>ヴァセリン
のようなので参考にしてみてください。
かといって純度が高ければ必ずしも良いというわけではないので、合う人合わない人はいます。
最初は手に入りやすい白色ワセリンを試してみると良いかと思います。

ヴァセリンの成分について - 初めて投稿させていただきます。| Q&A - @cosme(アットコスメ)

TODO

ヒアルロン酸